万波誠(まんなみまこと)医師
万波誠(まんなみまこと)医師
「私は目の前にいる患者さんを毎日、精いっぱい診ているだけですから。日本の移植医療をどうするか、死体腎(ドナー)をどうするかなんて考えたこともない」。万波誠氏は、毎日新聞の取材に対し、こう答えたという。万波誠医師とは
80年代、渡米した万波誠医師は死体腎からがんを除去して移植する例を何度も見てきたと言うのです。それが発端だった。二十年余りが経過し、移植患者が術後にどうなったか、移植方法が定着したかを、論文などで調べないまま万波誠医師は今回の移植を始めたそうです。 免疫抑制剤を投与するため、がんの危険性が高まる移植患者に、摘出腎臓からがんを取り除いて移植した事例が3件あるとのこと。患者の体内で疾患再発はないか、との問いかけに万波誠医師は「予後のことは分からん。これからの問題」とコメント。病気だった移植腎がどれだけ持つのかに関しては「誰にも分からん。ひょっとしたらずっと持つような気がする」と述べました。 「患者本位」を繰り返す万波誠医師。「二回も三回も腎移植して、もうドナー(臓器提供者)もいない、透析もできない人がいる」と、この移植の必要性を説き、九月にがんだった腎臓を移植したばかりの宇和島市の女性の例を挙げた。女性は透析で腫れ上がった腕を見せ「手術して楽になった。うれしい」と万波誠医師に感謝したそうです。万波誠医師経歴
万波誠氏は山口大を卒業後、70年から市立宇和島病院に勤務。腎移植を志して渡米後、77年に同病院で初めて腎移植を手がけた。04年に新設された宇和島徳洲会病院に移ったが、過去約30年間に万波誠医師が執刀した移植手術は約六百件だそうです。どんな信念を持っているのかと言う問いに万波誠医師は
腎不全で非常に困っている人を、少しでも良くしてあげようというのが義務と思っている。透析で苦しんでいる人を、移植で元気にするという風潮をつくっていかなければならないと思う。
と述べています。
倫理と患者 万波誠医師の立場
どの立場からこの問題を見るかによって、恐らく随分見方が分かれるだろう。自分が選択肢のない、移植を待つ患者だったら?どうするか。それすらも、本当にその立場になってみないと答えは出ない。 逆に万波誠医師の立場だったら?「倫理より患者」の論理を食い止める法整備は遅れたままです。民間シンクタンク・科学技術文明研究所のヌデ島(ぬでしま)次郎主任研究員は「日本では、何か問題が表面化した時、その場限りの対策を考えるにとどまってきた。今こそ公的なルールを築くことにエネルギーをかけるべきだ」と指摘しています。万波誠医師の信念が賞賛される日が来るでしょうか。